強がりウサギの不器用な恋

「私もね、言ったの。“一生のお願い”って。」

「……え…?」

「言った相手は、私の場合は兄だったけど…。」


その時のことを思い出したのか、明未さんは口元に手をやってフフフと可笑しそうに笑った。


「私も……仕事中に貧血で倒れて、病院に運ばれたから。」


そう言えば…前に、そんなことがあった。
まだ、社長と明未さんが結婚する前の話だ。


「私はその時まで、妊娠に気づいていなかったんだけど…。
兄に何を言われても、その時点では真吾に妊娠のことを言うつもりはなくて。
“一生のお願い”って、兄に懇願したの。」

「……そんなことがあったんですか。」


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