強がりウサギの不器用な恋

「ちゃんと話し合ったほうがいいと思ったから、飛向に電話した。」

「………」

「飛向だって、お前が消えると知って焦ったから、あんな大雨の中、ずぶ濡れになってまで会いに行ったんだろーが。何でその気持ちがわからないんだ!」

「…わかってます。」

「わかってねーだろ!!」


こんなに怒りに満ちた社長の顔を見るのは、いつぶりだろう?

……いや、ここまで怒った顔は初めて見るかも。



「わかってんなら、何で話が前に進んでないんだ?
逃げてばっかいないで、いい加減覚悟決めてぶつかれよ。」

「………」

「簡単なことだろ? 思ってること、全部言えばいいだけだ。」

< 381 / 404 >

この作品をシェア

pagetop