強がりウサギの不器用な恋

「起業にどれくらいかかるか目算もしてないんですか?!」

「いや、考えてるよ………ざっくりと?」

「そんな“ざる勘定”で、やっていけるわけないでしょーが!」


そんなにカリカリするなよ、って大口あけてカレーを頬張る目の前の男に、さらにイラっとさせられた。


うちの父親も、昔飲食店を出して潰したことがある。
借金だけ残されて、家族はいい迷惑だった。

だからこそ、こんな甘い考えで会社をやろうなんて言われたら、カリカリしたくもなる。


「俺一人が生活していけて、好きなことができるくらいの金が稼げればいいんだ。」

「好きなこと?」

「俺、ボランティアやってるって言ったろ?」


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