天才少女の復讐法。
「……優しくなんかないよ。
……でも、ありがとう」
「…この子犬も、雫に感謝してると思うよ」
……そうだといいな。
あたしはふっと微笑んで、子犬を撫でる。
「あの、さ。ずっと気になってたんだけど…
煌弥くんって、動物に好かれないよね」
子犬を抱きながら、
あたしはそんなことを言ってみる。
「……」
「……」
「はぁー…なんで逃げられちまうのかな…」
そう言って、煌弥くんは肩を落としている。