【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!

「どうされました?」
「あら、大変」

デイビットさんと佐和子さんが駆けつけてくれたけど、申し訳なくて既に涙で視界が滲んでいた。
けれど、おろおろしているウェイトレスさんに心配をかけないように笑う。

「大丈夫です。ちょっと、御手洗い借りますね」

「ちょっと待っててね。私も行くわ」

佐和子さんも着いて来てくれてゲストルームに通され、そこの化粧室の椅子に座りハンカチでトントンと叩くが完全には消えない。

「着替えて早く染み抜きした方がいいわね。家まで送るわよ」

「家は、まだ帰りたくないです」

汚れたスカートを握りしめ、嫌だけどもうこれしか無かった。

「着替えてきます。近くの職場で着替えて此方に来たので、戻って着替えて」

着物になんて着替えたくなかったけど、服を汚したのは私だからときつく唇を噛む。
デイビットさんに頂いたものを私……。


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