難攻不落な彼女
「どーぞ。」

リンゴジュースを差し出され、咲良は驚いた顔で涼介を見返した。



「えっ?でも・・・」



「俺、カフェオレが飲みたくて、買う予定だったから、それと交換して。」



咲良の手の中のカフェオレを指差しながら言った。


「本当に?」



ちょっと疑う咲良に対し、



「ホント、ホント。だから・・・ね?」



涼介は、少し強引に咲良の手からカフェオレを奪い、自分の持っていたリンゴジュースを持たせた。


「ありがとう!カフェオレ飲めなくて困ってたんだ。」


にっこり微笑む咲良。



涼介はその笑顔を見て、さっきまで抱いていた劣等感やモヤッとした気持ちが消えていくのを感じた。


「教室で食べるの?」

涼介の問いに、咲良が答える。


「そうだよ。糸井君は教室では食べてないよね?」



「あ〜、ご飯くらいゆっくり食べたいって蓮が言うから、毎日違うことで食べてる。」



教室にいると、いつの間にか囲まれることの多い涼介。一緒にご飯を食べる蓮ともう一人の友達が『飯くらい静かに食いたい』と言いあまり目立たないところで食べている。



女の子大好きな涼介だが、友達だって大切だし、男同士でしか話せない話だってしたい。
だから、今の状況に何の不満も持ってはいない。


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