君と、優しくて愛しい日々を。
「今日は、遊園地だったよなぁ。こっからバス乗ってー、…あー、今何時だ」
腕時計を確認する彼を、ちらりと見上げる。
…髪、ちょっと伸びた?
会う度に大人っぽくなってくナツに、私はいつもドキドキする。
周りを見回して、ここがよく自分の利用する地元の駅なんだと思うと、不思議な感覚がした。
…ナツと、私の地元で会ってるなんて。
見慣れてる駅の光景だって、なんだかキラキラしてるよ。
「未海。バスまでまだ時間あるけど、どうする?」
パッと、ナツがこちらを向く。
その瞬間、私の手元の携帯から、シャッター音が聞こえた。
「……え?」
向けられた携帯に、ナツはきょとんとしてる。
私の携帯には、ちょうどこちらを向いたナツと駅の風景が映っていて。
私は、アハハと笑った。