君と、優しくて愛しい日々を。
えーとえーと……なんて言ったら失礼にならないのかな。
相手は親切で言ってくれてるんだし…どーしよ、どーしよ。
「……色葉ちゃん?」
何も言えない私を見て、男子は眉を寄せる。
焦って、上手く頭が働かない。
いや、上手く頭が働いてもいい言い訳なんて浮かばないんだろうけどさ、私の頭じゃ。
ぐるぐると目を回して困っていると、靴箱の近くでカタン、と音がした。
…そして。
「…い、色葉っ」
聞こえたその声に、私は目を見開く。
振り返ると、そこにいたのは。
「…純くん」
先に帰ったはずの、大好きな王子様だった。
「……なんで…」
彼はムッとした顔で、戸惑う私と男子を見てる。
そして、俯きながら「…寄ってみただけ」と言った。