君と、優しくて愛しい日々を。
「…その辺ぶらついてて、暇になったから、寄っただけ。…そんだけ」
彼の、茶色がかった髪の隙間から、赤い頬が見える。
ザー…と雨が降りしきる外。
彼の右手が持っている黒い傘を見て、私は目を細めた。
「…ごめん!純くんが傘持ってるみたいだから…送ってもらうね。ありがとう」
バッと頭を下げて、謝る。
男子はこの状況自体に戸惑ってるみたいで、「あ、ああ…つきあってんだっけ」と苦笑いした。
「…うん」
にっこり笑って、男子に「お疲れさま」と言う。
そして私は、純くんのほうへ向き直った。
彼はニコニコ笑顔の私を見て、罰が悪そうにびくりとする。
けれどその頬はやっぱり赤くて、可愛いなぁと思った。
「ふふ。ちょうど傘忘れて、困ってたの。ナイスタイミングだよ、さすが!」
駆け寄って、傘を持っていないほうの手をつかんで、繋ぐ。