ペン先と筆先

母の言葉に私が歯向かうには、勝った実績が必要であった。

一回でいいから、勝てば説得できる。

高望みはしない。一回でいい。


夏休みには美術部を引退しなくてはならないし、もうコンクールなどはない。


――いや、ある。


中学最後のコンクール…文化祭のポスターだ。



それは、大抵はクラスの中心角の女子が内申稼ぎのためにやっているのだが、浅倉だけは毎年自分の意思で出ていた。

私がポスターを描けば、認められれば、S高に行ける。

母や世間を笑える。



『ポスターやる人いますか?』



そんな先生の声に、高々と手をあげたのだった。
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