ペン先と筆先
◇◇◇


私が美術部に所属したのは二年前。



昔から、生きるために絵を描いてきた私にとって、部活というのは本当に幸せだった。



両親が不仲で、両親がその両親(いわば私の祖父祖母)と不仲。

そんな当たり前の環境で育った私は、現実逃避に絵を利用した。


一度中に入った私は、もうぬけられないくらいにのめりこんだ。
とんとん拍子に画力がつき、天才とまでいわれ――両親とその両親の中まで絵は修復した。

昔、祖母が絵描きを目指していたのだ。

その夢を、花開けない才能を、彼女は私に託したかったらしい。

そのためには嫌いな私の両親にも媚を売った。

私と接触する機会を設けるには、いやでも両親と仲良くするしかなかったのだ。


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