トナカイくんとハッピークリスマス!

峰岸くんはゆっくりとコートサイドに向かい、あたしの瞳には彼の背中が映る。


ブレザーを脱いだ峰岸くん。


そしてボールを持ち再び振り返り――…



――ドクン…



あたしの心臓が音を立てた。



あの爽やかな男子生徒は誰ですか…?



彼の顔の一部と化していた黒縁メガネが外され、額を隠していた長めの前髪はかき上げられ…

それらの下に隠れていた素顔は思いもよらぬ整った顔立ちだった。



み、峰岸くんだよね…?



雰囲気もオーラも教室の時とまるで違うせいでそんな疑問さえも浮かんでしまうほど。


峰岸翼くんであって峰岸翼くんじゃないみたい…。



そんな驚くあたしをよそに峰岸くんは体を動かし始めた。



ダンッ、ダンッ、ダンッ、


ボールを床に打ちつけ、ゆっくりとしたリズムから、素早いドリブルを見せゴールに向かってシュートする。


次々にゴールネットを揺らす。


スリーポイントシュートもレイアップシュートも


キレイなフォームから放たれたボールがリングに吸い込まれる。






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