切れない鎖
疑惑

シャルン、アナ、ユルサルが一条家に来て、しばらくが経った。

優輝は高校生活にも慣れ、シャルン達も、日本の暮らしに慣れてきたようだ。

ある日の朝、優輝は欠伸をしながら眠りから覚めた。

「ふあぁぁぁ~」

伸びをして、布団から出る。

すると、シャルンも目を擦りながら起きた。

「優輝?」

寝ぼけた様子で聞いてくる。

「そうだよ。おはよう、シャルン」

「おはよう」

シャルンも挨拶を返す。

「僕は学校があるから、もう起きるけど、シャルンはどうする?」

優輝が尋ねると、

「起きる」

と、シャルンも布団から這い出た。

「二人も起こした方がいいかなぁ」

優輝は隔てのある向こうを見た。
< 216 / 284 >

この作品をシェア

pagetop