イクメンな彼氏
捨てられた子犬みたいな目ですがるようにお願いされると拒否できなくて、私は彼を受け入れてしまった。

それがすべての間違いだったのだけれど。

彼の嫉妬は日に日に激しくなって、生徒であれ先生であれ、異性と口を聞く度に背中の傷は増えていった。

これは彼の愛情の証。
こんなにも私を思ってくれている。
彼を受け入れてあげられるのは私だけ。

そんな風に考えていた私の精神は異常だったのだと思う。

人目につかないように気を付けていた体育の着替えで葉月に見つかって詰め寄られた時には、高校最後の夏休みが終わっていた。

「比奈、この頃ずっとおかしいと思ってたけど、この傷のせいなの?」

黙り込む私に葉月は「洋介だね。私話してくる」と駆け出そうとしたから、私は慌てて彼女の手を掴んだ。

「やっぱり……」
私の行動で確信を深めた彼女には打ち明けるしか選択肢はなくて、私は彼との異常な関係を話したんだ。
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