イクメンな彼氏
その日から私は、彼の人形になった。

「比奈は俺の人形だから、俺の言う通りにしてればいいんだよ」

「比奈は俺の人形なんだから、喋らなくていいんだよ」

その度に私は頷き、彼の機嫌を損ねないことだけを考えていた。

それでも男性の担任教師に話しかけられたり、男性のコンビニ店員からお釣りを受け取っただけでも殴られる日々。

逃げ出したいと願っても、見つかった時の仕置きが恐ろしくてとても実行には移せなかった。

両親は娘の変化に気付かず、いつの間にか葉月も離れていった。

私は暴力を振るっては抱きしめることを繰り返す男の束縛にがんじがらめにされていた。

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