イクメンな彼氏
「やっぱり実家には帰りたくないな」

ぽつりと呟くと、ミルクピッチャーを慎重に傾けていた悠斗さんが顔を上げて「あ、失敗した」と眉をひそめた。

彼のマンションで料理を作るのは私で、食後のコーヒーを入れるのは彼だ。気が向くと今日のように真剣な顔をしてラテアート作りにチャレンジしてくれる。

ハートも成功率70%といったところだけれど、私の為に作ってくれたものだと思うといつも思わずにやけてしまう。

「どうしたの?」
カップをソファー前のローテーブルに置き、心配そうに私の顔を覗き込む。

「どうもしないけど、何となく」

誤魔化そうとしたけれど悠斗さんに通じるわけもなく、「葉月ちゃんに電話しようかな」とスマホを取り上げられて渋々打ち明けることになった。
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