イクメンな彼氏
美幸はおしゃべり好きでお洒落な子で、高校卒業後は東京の専門学校に行くとか言ってたっけ。

茶髪の巻き髪にミニスカートでピンヒール、田舎にいた頃よりも垢抜けて綺麗になっている。隣の男の人に会釈する、茶髪でお洒落だけれどルーズな服装の人だ。

「まぁね」

高校の友達の話は聞きたくない。何とか話を終わらせようと曖昧な相槌を打つけれど、美幸は一番聞きたくない名前を口にした。

「そういえば洋介、帰って来てるって知ってる? 駅前で彼女の家に転がり込んでるらしいけど、よく帰って来れるよねー」

「え?」

帰って来てる、の意味がわからない。
誰かに聞いたわけじゃないけれど、洋介はずっと地元にいるものだと思ってた。

「比奈知らなかったっけ? 大学の時彼女に暴力振るって警察沙汰になりかけて、急にいなくなったんだよ。
それがよく帰って来れるよね。

……それに、今の彼女もこの暑いのにいつも長袖なんだって。絶対何かやられてるよねー」

きっと葉月とお母さんは知ってたんだ。
だから私が実家に帰ることを強く止めてた。

頭の頂点から血の気が引けていくのを感じる、これ以上聞きたくない。
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