イクメンな彼氏
ずっと見たかった顔。
どうしても忘れられない人。

暗闇に溶けてしまいそうな暗い色のスーツとコートを身につけて私の方に歩いて来るのは……中津さんだった。

透き通るような肌と端正な白い顔が闇に浮かんで、私の目は惹き付けられたように彼から動かせない。

「中津さん……」

やっとのことで言葉を絞り出した私の右手を掴んで、「話があるんだ」と引き寄せようとする。

左手には藤本さん。
右手には中津さん。

二人の素敵な男性に挟まれて世の女性なら喜ぶようなシチュエーションだけれど、当の私は困惑するばかり……。

藤本さんはどうして突然手を握ってきたりしたの……?
どうしてここに中津さんがいるの……?
話って何なの……?
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