Sweet Love
「はぁ…もう帰ろう」



これ以上ここにいたら亜希のこと考えてしまう



あと少し仕事をして帰るか…




そう思って動き出した時ーーー



「慎?」



どこか聞き覚えのある声がした



「亜希…」



「久しぶりね」



「なんで亜希がここに?」



「由愛ちゃんに会いに来たのよ」



「なんで由愛ちゃんに?」



「この前、結婚式の時にメイクしたの私だったのよ。それで由愛ちゃんがメイク教えてほしいって言ってたから教えに来たの」



「由愛ちゃんなら帰ったよ」



「え?!なんで?!」



「貧血で」



「そんな…」



「妊娠してるの知ってる?」



「は?!?!知らない!なにそれ?!」



「今、4ヶ月ぐらいだよ」



「全然知らなかった…」



「だから、倒れたの」



「そうだったんだ…」



「亜希が来たことは由愛ちゃんに伝えとくよ」



「ありがとう。由愛ちゃんと同じ職場だったんだね」



「うん…」



「ねえ、慎?今から暇?」



「まあ、暇だけど…なんで?」



「ごはんでも食べに行こうよ」



「俺と…?」



「他に誰がいるのよ」



そう言って笑う亜希はやっぱりかわいかった



由愛ちゃん、紘人俺もがんばってみるよ



だから今度は2人が見守っていてーーー

< 272 / 280 >

この作品をシェア

pagetop