空色ユニフォーム
中学二年生、初冬。
わたしは翔太が好きで、
翔太もわたしを好きで。
それを知ったまだ思春期真っ盛りのわたしたちは、ひとつの過ちを犯した。
凍えるような寒さの中、互いに触れ合う肌があったかくて、止められなくて。
全部を見失っていた。全部を捨てる覚悟だった。
翔太さえいればそれでいい、
翔太といられるならそれでいい。
そう思っていた。
そんなわたしに翔太は、優しくて、だけどどこか切ない印をくれた。
初めてのことだった。
「瑞香、俺のこと怖い?」
ちゃんとした告白もなかったけど、でもわたしも翔太もお互いの気持ちを知っていたから。
だから、わたしは何も怖くなかった。
「何も、怖くないよ。」
初めてのハグも、…二度目のキスも、その先も。
全部を翔太に委ねることにしたあの夜。