だから、好きだって言ってんだよ
それから何日か経ったある日の放課後。
日直の用事で帰るのが遅くなり、日が傾き始めた頃だった。
「陽平く~ん!」
靴箱のそばまで来たところで、女の子の声が聞こえて思わず足を止めた。
周りには生徒はほとんどおらず、部活をする生徒達の声がグラウンドの方から聞こえている。
靴箱の間に身を潜め、思わず息を呑むあたし。
『陽平く〜ん』って言ったよね?
「誰か待ってるの?一緒に帰ろうよ」
可愛らしい声が聞こえて、あたしはそっと靴箱の間から顔を覗かせた。
そこには陽平と女の子の姿があって、女の子は真顔の陽平にニコニコ笑いかけている。
あ、あれは!
深田、さん……?
同じクラスになったことはないけど、中学が同じだったから顔と名前は知っている。
深田さんはふわふわ系の可愛らしい子で、中学の時からマドンナ的存在でかなりモテていた。
大きく潤んだ瞳に、八重歯が覗く可愛らしい口元。
透明感のある天然の白いスベスベ肌がとても綺麗。
成績優秀でスポーツ万能。
おまけに明るくて、友達も多くて。
優しそうなふんわりした雰囲気にも癒されるし、欠点という欠点がひとつもない彼女。
そんな深田さんが、陽平と仲が良かったなんてビックリ。