だから、好きだって言ってんだよ


それから何日か経ったある日の放課後。


日直の用事で帰るのが遅くなり、日が傾き始めた頃だった。



「陽平く~ん!」



靴箱のそばまで来たところで、女の子の声が聞こえて思わず足を止めた。


周りには生徒はほとんどおらず、部活をする生徒達の声がグラウンドの方から聞こえている。


靴箱の間に身を潜め、思わず息を呑むあたし。


『陽平く〜ん』って言ったよね?



「誰か待ってるの?一緒に帰ろうよ」



可愛らしい声が聞こえて、あたしはそっと靴箱の間から顔を覗かせた。


そこには陽平と女の子の姿があって、女の子は真顔の陽平にニコニコ笑いかけている。



あ、あれは!


深田、さん……?


同じクラスになったことはないけど、中学が同じだったから顔と名前は知っている。


深田さんはふわふわ系の可愛らしい子で、中学の時からマドンナ的存在でかなりモテていた。


大きく潤んだ瞳に、八重歯が覗く可愛らしい口元。


透明感のある天然の白いスベスベ肌がとても綺麗。


成績優秀でスポーツ万能。


おまけに明るくて、友達も多くて。



優しそうなふんわりした雰囲気にも癒されるし、欠点という欠点がひとつもない彼女。


そんな深田さんが、陽平と仲が良かったなんてビックリ。


< 111 / 303 >

この作品をシェア

pagetop