だから、好きだって言ってんだよ


「悪いけど、深田と一緒には帰れねーから」



「えー?なんで?いいじゃん」



「人を待ってんだよ」



「誰を待ってるの?」



「関係ねーだろ」



ゴクリと唾を呑み込み息を潜める。


一歩も引かない深田さんに、陽平はなんだか面倒くさそうな雰囲気を出している。


す、すごいな。


マドンナにあそこまで冷たく言えて、その上誘いを断るなんて。


なんだか出て行きにくい感じ。



ど、どうしよう……。


なんて思いながら隠れていると。



「バレバレなんだよ」



「えっ!?」



なぜか陽平が足音もなくやって来て、あたしがいる前に姿を現した。


覗き見していたことを怒っているのか、不機嫌そうな表情を浮かべている。


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