だから、好きだって言ってんだよ


3日後。


あれから陽平と深田さんのことが頭から離れずにいた。


思い出す度に胸が痛くて苦しい。



「愛梨?ボーッとして、どうしたの?」



「えっ?」



あ……。


いっけない。



目の前でご飯を食べるお母さんの声にハッとした。



気付くとお茶碗片手に手が止まってしまっている。



「なんでもないよ」



そう言ってご飯を口に運ぶ。


正直、味なんてしなかった。



「おねーちゃん、エビフライ1つちょうだい」



手付かずのあたしのお皿を見て、光太がニッコリ笑う。



「いいよ……はい」



「えっ……?いいの?」



目を真ん丸く見開く光太。


普段なら『ダメー!』って言うところだから、ビックリしているんだろう。



「いいよ」



「ど、どうしたんだ?何か悩み事でもあるのか?」



「そうよ、信じられないわ。愛梨が光太におかずをあげるなんて」



えっ……?



お母さんもお父さんも、かなり心配そうな目であたしを見ている。



いやいや……!


なんかあたし、ガッツリ食べる子って思われてる?


実際そうなんだけどさ。


そんなにビックリしなくてもよくない?


あたしにだって、食べたくない時くらいあるんだよ。


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