誤解から始まる恋もある?
「もう二度と誘わないでくれ! 迷惑だ! さっきから言っているのに聞かなかったんですよ。ちょうどよかった。それでは須藤専務、私は失礼します」

早口で告げると、言葉を返す間も与えずその場から飛ぶように去っていった。

はあ? なんなの!?

たとえ一度しか会ったことのない人でも誤解されるのは嫌だ。

振り返ってみると、やっぱり今朝のイケメンだった。冷たい瞳と目が合うと、自分は悪いことをしていないのに気まずくなる。

金城副支配人の嘘のせいで誤解をされていそうで、言い訳しなければと思うけれど、怒りやショックでうまく言葉が出てこない。情けなくて下唇をギュッと噛んでから口を開く。

「あ、あの、違うんです!」

冷たい視線から、やはり誤解しているらしいことは充分わかる。さげすむような視線に、耐えられなくて顔を下げた。

彼は今朝の装いとは打って変わって、高級そうなブラックジーンズに清潔感溢れる白シャツ姿。

こんな薄明かりの下でも、白いシャツはシミひとつなくパリッと糊がきいているのがわかる。

「君は不倫をするほど男に困っている、ふしだらな女なのか?」

そのきつい言葉に傷ついた。

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