私に恋をしてください!
そんな神戸が正面に座る俺を真っすぐ見た。

『柳井くん。そういうことだから、この後しっかりフォローしなさいね。彼女を悲しませたのはあなただって悪いんだから』

俺が返事する間もなく、神戸の携帯が鳴った。

『はぁい。うん、2人ともいるよ。今行くね』

間違いなく、剛さんのお迎えだろう。

「じゃ、葉月、俺達も帰ろう」

と、立ち上がると。

『何を言っているの?剛さんは車で来ているから一緒に乗って行きなよ』
『私も、いいんですか?』

葉月は、やっぱり元気がない。

『もちろん。剛さんが待っているから、行きましょ』

外へ出ると、白いミニバンが止まっていた。

「剛さん、お久しぶりです」
『休日出勤お疲れ様でした』
『あの、私、清水葉月と言います』
『由依の夫で剛です。兄がお世話になってます』

運転席から後部座席に座る葉月を振り返って丁寧に挨拶をしてくれた剛さん。

『あ、局長の弟さん、ですね』
『そうです。ぜひ由依とも仲良くしてやってください』
『はい、ぜひ』
『でも、くれぐれも兄のもろもろのことは、内緒でお願いしますね』
『もろもろのこと?』

葉月の頭の上にハテナマークがついたようだ。
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