私に恋をしてください!
お昼前に、俺の携帯にメールが来た。
・・・健吾さんだ。

―"明日の夜、時間を作って欲しい。19時に場所は先日清水と母親と君が行った東都大学近くのマスターの店だ。あと、くれぐれもこの話は清水と母親には内緒でお願いしたい"―

俺の予定を伺わないまま予定を入れて来るあたりは強引さを感じるけど、マスターの店にもう一度行けと言うのはどういうことだろうか。

しかも葉月とお母さんに内緒って・・・

午後、春木屋書房に出向き、関根店長に会った。

『で、あの子とはどうなの?』
「あの子?」
『龍成社の・・・清水さんだっけ?』
「いや、それは・・・」

知り合いとしか言ってないと思うんだけど、あの時。

『人生経験軽く柳井さんの倍はある私が見て、君達がカップルだということは一目瞭然でしたよ』
「恐れ入ります」

あの時は須山もいたのに、分かり易かったのかな、俺達。

『ここの売り場はもうすぐ正月料理のコーナーに入れ替えですけど、クリスマスはこれからですよねぇ』

入り口の特設コーナーを指差して話す店長。
誰しも気にする恋人達のメインイベントと言うべき"クリスマス"。
つくづく余計なお世話だと思う。
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