私に恋をしてください!
『はい、お電話代わりました柳井です』
"龍成社営業局の成瀬川です"

やっぱり健吾さんだ。

「おはようございます。どうしたんですか?こんな朝早くに」
"君に直接連絡取ろうと思ったら、メールアドレスも携帯番号も分からなくて"
「陸に聞いていただいても良かったんですけど」
"陸は仕事が忙しくてフレックス制度を使って朝は寝ているからすれ違いなんだよね。だから直接電話しちゃった。ごめんね"

改めて健吾さんに連絡先を教えてその場は電話を切った。
何の用事なのだろう?
陸も葉月も通さない俺への用事って。

『ちょっと、今の人、社長じゃなかったら誰よ』
「お前、ナルガクだったよな」
『そうよ。だから龍成社で"成瀬川"と言えば社長の名前だと思ったから・・・あ、御曹司の方か。でも何で柳井に電話がかかってくるのよ』
「あんまり詮索しないでくれ。俺の交友関係の1つなんだから」

須山に引っかき回されたら面倒だ。

『何だかイヤラシイ交友関係だね』
「何が?」
『偉い人に取り入って出世街道をひた歩きする作戦?』
「バーカ。実力もまだ評価される年齢じゃないのにそんな作戦実行するか?そんな空っぽな人間にはなりたくないね」

続々と社員が出勤し、大分フロアが賑やかになってきた。
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