私に恋をしてください!
「すみません、雑談ばっかりで」
『いやいや、こういう話は嫌いじゃないですよ。では彼女と充実した休日をお過ごしください。あ、もしかしてここに来るのは年内最後?』
「いえ、来週もう一度伺います」
『なら、結果を教えてください』

店長は俺に微笑むと、俺に一礼をして立ち去った。

彼女を信頼し続けろ。
ずっと男であることを忘れるな。

関根店長の言葉をかいつまむと、そういうことだろうな。

例えば葉月と結婚したとして、子供がいるから会話ができる夫婦とか、そういう関係にはなりたくない。
彼女に好かれ続ける努力が常に必要なんだ。
でも俺は別に・・・どんな葉月でも大丈夫どころか、好きなんだけどな。

さらにその翌日、わかば堂書店本店に出向いた。
ここは広いので、全部の売り場は回り切れない。

とりあえず出向いたのは、芸術書のコーナーだった。
ここには本部のイベント担当から産休目前で異動になった神戸がいる。

『あ、来たねぇ、柳井くん』

朝、アポイントは取っていたので、俺を待っていてくれたようだ。

他の店への営業と同じように、まずは売れ筋やその客層などを伺い、どんな展開を今後したいのかの意見交換をする。
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