私に恋をしてください!
「はい、確かにあります。恐らく最初の2年は今の部署のままですが、そこから先は分かりません」
『その時はどうするんだ?』
「その時になったら考えます。互いにとって一番いい方法を、互いに納得が行くまで話し合います。冷静に、互いを思いやる気持ちは、誰にも負けないつもりです」
『その自信は、どこから来る?』

彼女の父親として聞いておきたいことだろうけど、俺は浅はかな考えで葉月と付き合い始めたわけではないから、言葉を選びつつも、明瞭に答える必要があると思った。

「互いを尊敬して、感謝をして、信頼をして、そして愛情を持つ。その大事な心を葉月さんから全てこの1ヶ月と少しの間に教えてもらえたからです。教えてもらえたという事は、当然葉月さんにもその心を持ち合わせている。僕には勿体ないくらいの素晴らしい女性です」
『その4つの心、全てを教えてもらえないかな、具体的にどう葉月に教わったのか』

専務は手をテーブルに乗せて組み、俺を真っすぐ見た。
健吾さん夫妻は黙って俺が話し出すのを待っている。

「尊敬は・・・葉月さんのマンガを描いている時の姿です。仕事をしている時の彼女はあまり知りませんが、マンガを描いている時の没頭する姿が、好きなことに夢中になれるのって僕にはなかなかない要素で、話している時とはまるで違う真剣な表情で、夢に向かって努力していることに、尊敬します」
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