私に恋をしてください!
『そんなの、お前に答える必要はないだろ』
『あら、柳井くらいの年齢でこんな話題にも明け透けになれないなんて、よっぽど自分の体面を保ちたいのかしら』

やっぱり、須山さんの言っていることは、すごくズレている気がする。

「須山さんがそんなこと言うのは、私のこの子供のような容姿のせいですか?ソラの横を歩くのに釣り合わないと思うからですか?体の関係は、人に話すものではないと私も思いますし、須山さんによるただの興味本意で、かつ下世話な質問です」

そう言ってソラを見ると、少し俯いて悲しげな表情になったのが気になった。

私、いけないことを言ったかな。

ソラは私の視線に気付いたのか私を見て"食べよう"と微笑むと、目の前の牛タン定食を食べ始めた。

知りたい。
ソラの心の中を見ることが出来ればどんなにいいか。

須山さんは元々午前中だけの手伝いだったので、店を出てすぐ私達3人はバラバラに解散した。

夜になって、昼間のソラの表情が気になった私は、ソラに電話をかけた。

「もし、ソラが傷つくようなことをランチの時に私が言ったのなら、ごめんね」
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