私に恋をしてください!
"いや、葉月は悪くないし、言っていることも正しいよ。もし俺のリアクションが気になるようなら、その原因は全て俺にあるから"
「私に、言えないようなこと?」
"いつか、話すよ"

と、ソラに濁された。
だから私は話題を変えた。

「今日のソラ、カッコ良かったな。仕事している姿を見るのが新鮮だったし。それに関根店長から凄く信頼されているソラを、私は尊敬するよ」
『尊敬?それは俺のセリフ。本の手配は迅速だったし、店長と話している姿は凛としていて、須山とあんなくだらない話だって対応した。別の話だけどマンガを描いているひたむきな表情だって、全てにおいて一生懸命な葉月を俺も敬うよ。だから、もっと自分に自信を持て』
「うん!」

ソラの言葉は力が湧く。
敬う心が恋愛に結び付くかはわからないけど、昼間の表情が悲しげだったことをすっかり忘れてしまう私だった。
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