私に恋をしてください!
陸にも言っていなかった葉月の存在。
でも健吾さんが知っていると言うことは、葉月が言ったのか?

『営業局には女性が3人しかいない。俺の妻、高松、清水。高松は彼氏持ちだし、残る1人は清水しかいない。しかもマンガ好きと聞いたら尚更だ』

そういうことだったのか。
陸の義兄が健吾さんだったのは、世間が狭いとこの時感じた。

『本当の意味での女性との交わりを、君は全く経験していないんだろうな。好きな人とするセックスほど、素晴らしいし、尊いものはないのにな』
『どうでもいい女ならヤれるから、経験だけは豊富』

どうでもいいことを付け加えた陸。

『今でもそんな生活を送っているなら、今すぐ止めな。絶対後悔するから』

健吾さんは真っすぐ俺を見て言った。

ちなみに社会人になってから、女性と身体を合わせたことはない。
そっちに気が向く余裕がとてもじゃないけどなかったから。

図らずも"女断ち"の状態の中出会ったのが葉月だった。

だから俺は、健吾さんの言葉に首を横に振った。

「いえ、もうずっとそんな生活は送っていません。葉月に会ってからは、尚更です」
『それなら、今日この後すぐにでも清水のことを抱けるか?』
「え、いや、それは・・・」
『怖いか?清水に嫌われるんじゃないかと思ってしまうから』
< 92 / 216 >

この作品をシェア

pagetop