私に恋をしてください!
葉月の上司が言うべきセリフか?
そんなことを心の中で突っ込むも、俺の心を完全に読まれている。

この人、ただの御曹司じゃないぞ。

「どうして・・・分かるんですか?僕の思うところを」
『俺、元々は学校の教師をやっていてね。大学で心理学も専攻していた関係で学校カウンセラーもやっていたしね』

だから"セミプロ"なのか。

『だから、ちょっとカウンセリングでもしようと今日は来たんだけど・・・君には必要なさそうだ』
『え?カウンセリング不要?』

健吾さんの言葉に陸が先に反応した。

『君は自分自身で治せる力が十分にあるよ。俺が君に言うべきことは大きく2つ。ひとつは、今までの会社で清水が苦しんだ"立場"と"営業としての資質"だ』

苦しんだ?
思えば、葉月は仕事をしている上で苦労している話は聞いたことがない。

『彼女は、6月に営業局に配属されてすぐに、一度大きな挫折をしていてね』

前任の部長とともに、うちの会社で書籍の部数交渉をしている時、あまりの書籍仕入の担当による執拗な"口撃"に葉月がキレてしまい、その書籍の搬入をうちの会社が止めてしまった。
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