私に恋をしてください!
「そうじゃなくて、この寒いところで仕事して大丈夫なのかってこと」
『大丈夫だよ。今イベント担当を引き継ぎ中でね、後任の子と交代でやるから』
「でも、明日だってあるだろ?」

イベントは土日で行われる。
連日の立ちっぱなしはキツイのでは・・・

『明日は、引き継いだ子だけが出るよ。私は休み』
「そうか。色々大変だな」

神戸によれば、来年1月末まで店舗で働き、その後産休に入るらしい。

そしてイベントは大盛況だった。
花村さんがサンタの格好をして道行く子供に風船を配り、葉月や俺はお勧めの絵本を聞かれて説明する。

そんなイベントが終わった午後6時。

『柳井くん、ちょっと来て』

と、神戸に呼ばれて来たのは、従業員用の食堂。

『あ、お茶入れるね』

と、給茶機でお茶を入れてくれた。

「ごめん、妊婦に気を使わせて」
『いいのよ。今日はうちのイベントのお手伝い、ありがとございました』

と、俺の向かいに座った神戸は一礼した。

『こうやって柳井くんと話す機会を設けないと、柳井くんがあの時に背負いこんだもの、取り除いてあげられないでしょ?私はもう割り切っているのに、柳井くんだけが苦しむなんて不公平だもの』
「不公平って、あの時悪かったのは俺であって、お前じゃないし」
『私の気持ちは無視?』
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