私に恋をしてください!
葉月と一緒に仕事ができるなんて、なかなかないから有難い。

『イベントが終わったら、由依ちゃんと話して来い』
「え?」

神戸と話すって、何を?

『君が女性を抱けない原因は由依ちゃんとの出来事ならば、その時の心情をもう一度思い出して来いって言うこと。由依ちゃんにはもう話してあるから』

明日のイベントは当然担当である神戸もいる。
けど、葉月もいる手前、なかなか・・・

「あの、葉月がいるのでそれは・・・」
『その心配はいらないよ。手は打ってあるから。君は素直に由依ちゃんと話せばいい』

健吾さんの言葉には淀みがない。
だからそのどれも嘘であるとは感じない。

けど・・・葉月と一緒に仕事が出来ると喜んだイベントが一転、不安なものへと変わった。

翌日。

開店時間の午前10時にあわせて、午前9時にわかば堂書店に集合した。

葉月、促進局の花村さん、他の出版社の営業さん、俺の高校の同級生の父親である児玉店長、そして、神戸。

久々に会った神戸は・・・ちょっと太った?

いや、違う。
妊婦なのか。

でも、こんな冬空の下、外でのイベントに出て大丈夫なのだろうか。

「お前、大丈夫なのか?そのお腹で」
『あ、やっぱり分かる?来年4月なんだよね』
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