京月君、ストーカーなんだって
なんてことがあったんだ!私が叫ぶと棗ははぁ、と気の抜けた返事を返した。男のくせに朝っぱらからなよなよしてるし、いちごみるくなんか飲みやがって。無性にイラついて、いちごみるくのパックをかっさらい、中身を飲んだ。ああ、甘ったるい。
「か、間接キス…とか…」
「棗は私にとって男でも女でもなく、中性だからいい」
「…俺が…中性…?」
落ち込む棗の手にパックを返し、学校へ再び歩き出す。普段はほぼ無理矢理、京月と登校させられるが、今日奴はマラソンの再走に捕まったため、幼馴染の棗と登校することになった。
「あー、京月がいない通学路…最高…」
「…………なぁ、このままでいいのか?」
「ん?何が?」
「京月のことだよ」
いつになく真剣な棗の表情に、どきりとする。いちごみるくのパックがぐしゃり、音を立てて潰れた。
「京月、どう考えても普通じゃないだろ。」
「うん、普通じゃない」
「…なんでそんなに平喘としていられるんだよ。仮にでもストーカーなんだぞ?」
「もしかして心配してる?」
「当たり前だろ。その、まぁ幼馴染だし」
掠れる語尾を聞き終わる前に、ありがと、と言葉を重ねた。でも、棗ってそうやって他人の心配しちゃうから、自分の事に手をつけられなくなるでしょ。眉を下げて微笑むが、棗の顔は何故か暗くなる一方だ。
「他人じゃねぇよ。お前は俺の大切な無雪だ」
「………やっぱあんた、優しすぎ」
思わず赤くなった顔を腕で隠して俯く。こういう事、平気で言える棗がズルい。ズルすぎる。当の本人は自分が言った言葉の重要さに気づいていないみたいだけど。
「俺じゃなくて、無雪が優しすぎんだよ。何かあったなら、いつでも話せ。なんなら俺が無雪の事、守ってやるよ」
「……ばか。男に二言はなしだから!今日から棗は私のボディーガード!わかった?」
「はいはい」
「はい、は一回!」
「はーい」
プッと同時に笑う。棗といると、やはり落ち着く。…京月とは大違い。
「か、間接キス…とか…」
「棗は私にとって男でも女でもなく、中性だからいい」
「…俺が…中性…?」
落ち込む棗の手にパックを返し、学校へ再び歩き出す。普段はほぼ無理矢理、京月と登校させられるが、今日奴はマラソンの再走に捕まったため、幼馴染の棗と登校することになった。
「あー、京月がいない通学路…最高…」
「…………なぁ、このままでいいのか?」
「ん?何が?」
「京月のことだよ」
いつになく真剣な棗の表情に、どきりとする。いちごみるくのパックがぐしゃり、音を立てて潰れた。
「京月、どう考えても普通じゃないだろ。」
「うん、普通じゃない」
「…なんでそんなに平喘としていられるんだよ。仮にでもストーカーなんだぞ?」
「もしかして心配してる?」
「当たり前だろ。その、まぁ幼馴染だし」
掠れる語尾を聞き終わる前に、ありがと、と言葉を重ねた。でも、棗ってそうやって他人の心配しちゃうから、自分の事に手をつけられなくなるでしょ。眉を下げて微笑むが、棗の顔は何故か暗くなる一方だ。
「他人じゃねぇよ。お前は俺の大切な無雪だ」
「………やっぱあんた、優しすぎ」
思わず赤くなった顔を腕で隠して俯く。こういう事、平気で言える棗がズルい。ズルすぎる。当の本人は自分が言った言葉の重要さに気づいていないみたいだけど。
「俺じゃなくて、無雪が優しすぎんだよ。何かあったなら、いつでも話せ。なんなら俺が無雪の事、守ってやるよ」
「……ばか。男に二言はなしだから!今日から棗は私のボディーガード!わかった?」
「はいはい」
「はい、は一回!」
「はーい」
プッと同時に笑う。棗といると、やはり落ち着く。…京月とは大違い。
