狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅣ―ⅶ 使者の帰還Ⅱ


「ああ、それは俺も思った。だがな、冥王はアレスの心を読んでいた。おそらく本人の気付かない思考の部分、もしくは…記憶さえ読み取ることが出来るんだろう」


この世界の五人の王たちがどれほどの力を持つのか、本人たちがその力の詳細を口にしないため全て仮定になってしまう。ただ全ての王に共通するのは、大きな力を発揮する際に神具を召喚する事。そして、冥王が常にその神具を手にしているということは、彼は持っている力のすべてをいつでも発揮できる状態にあるということだった。


「そうか、…そういうことなら辻褄(つじつま)が合いますね。前世の記憶とやらも魂に刻まれているとしたら…魂を狩る冥王ならば、その記憶を読み取ることも可能かもしれませんね」


「む?なんだテトラ。お前そんな研究してるのか?」


そういうブラストの言葉にテトラは首を傾げた。


「え…?悠久の謎を解くための足掛かりになるかと思いまして…教官知りませんか?一角獣(ユニコーン)の言い伝え…」


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