狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅩ―ⅷ 現れた精霊王・エクシスⅢ


水の精霊の言葉に目を見開いたキュリオ。


「…神剣を…?」


相手国で神具を召喚する事、すなわちそれは戦いの意志があることを示す。合図のつもりが他の精霊の誤解を招き、彼らが悠久を攻め込まないとも限らない。


(悠久の民をとるか…アオイの命をとるか、ということか…)
激しく動揺を見せるキュリオの手に力が籠る。


『…悠久の王。門には私が立ちます…』


キュリオの胸中を理解した光の精霊はそう言葉を残すと、急いで元来た道を引き返していった―――


『…彼女に任せておけば問題はないかと…』


『…さぁ、お早く』


「…光の精霊殿、水の精霊殿…感謝する」


キュリオのその言葉を聞いた水の精霊は優しく微笑んでいるようだ。精霊王と唯一交友のある悠久の王はやはり特別なのだろう。


キュリオはアオイの体を左手で抱いたまま…


右手を頭上に掲げると…



(必ず君を助ける…待っていてくれアオイ!!)





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