狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

それぞれの想いⅡ

「あ…っ」


髪につけるオイルの小瓶が音を立てて倒れ、わずかな雫がその口からタラリとこぼれおちた。


「アオイ様、ここは私にお任せ下さい。広間にてキュリオ様がお待ちです。今日こそは朝食をとるようにとおっしゃっておりましたので」


「う、うん…」


にこやかに懐から柔らかな布を取り出したアレスは、鏡台(ドレッサー)に広がった小さな水たまりを拭き取っていく。


「ごめんねアレス、それじゃあ…」


と、立ち上がったアオイの腕をアレスが掴んだ。


「アオイ様…カイに会おうとはお考えにならないでください」


「え?…何か知っているの?」


「……」


「…私からは何もお教え出来ることはありません…」


なぜか気まずそうに視線を逸らした魔導師に嫌な予感を覚えるアオイ。



(…風邪だから会えないとかじゃない…アレス何か隠してる…)



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