狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
空席
「あらぁ?そういえばアラン先生どこかしら…」
弱冠痺れかけの足をさすりながら辺りを見回すアケミにトモミが応える。
「アラン先生は副担任ですし、ご自分のクラスのところへいらっしゃってるのでは?」
「そうですよー、たしか向こう側の席だったはず…」
ミハルがヨッコイショと、わずかに腰を浮かせて伸びあがる。
「……あれ?」
アランのように美しい銀髪がそういるはずもなく、美貌という必要以上のオーラを放つ彼が視界から外れなければ見失うことはまずありえない。
「…どうしたんですの?」
「席が四つ空いてる…」
「アラン先生はー?」
「いない…です」
「四つって…まさか…」
悔しそうに親指の爪を噛むトモミの瞳は愛に飢えた野獣のようにギラついていた―――。
弱冠痺れかけの足をさすりながら辺りを見回すアケミにトモミが応える。
「アラン先生は副担任ですし、ご自分のクラスのところへいらっしゃってるのでは?」
「そうですよー、たしか向こう側の席だったはず…」
ミハルがヨッコイショと、わずかに腰を浮かせて伸びあがる。
「……あれ?」
アランのように美しい銀髪がそういるはずもなく、美貌という必要以上のオーラを放つ彼が視界から外れなければ見失うことはまずありえない。
「…どうしたんですの?」
「席が四つ空いてる…」
「アラン先生はー?」
「いない…です」
「四つって…まさか…」
悔しそうに親指の爪を噛むトモミの瞳は愛に飢えた野獣のようにギラついていた―――。