薫子様、一大事でございます!
北見さんは、あとはご自由にどうぞとばかりに席を立ってしまった。
「……本当に引き受けてくださるんですか?」
「はい、お任せくださいませ」
笑顔で応えた。
「ところで、モモちゃんは?」
「……はい?」
星野さんの口からモモの名前が出てくるとは思いもせず。
「モモをご存知なんですか?」
目を瞬かせた。
「はい。高崎さんは友人なんです」
それじゃ……
「ホームページを見てここへ来たんじゃなかったんですか?」
「……ホームページ?」
星野さんが首を傾げる。
「いえ。高崎さんから紹介していただいて」
「あ、そうだったんですか」
席を立った北見さんへ視線を向けると、バツが悪そうに頬をポリポリと掻いていた。