薫子様、一大事でございます!

小学校から大学まで一貫して女子校。

同年代の男の人と接する機会なんてものは、ないに等しかった。


それもこれも、二階堂家とお父様が経営する住宅メーカーの株式会社NIKAIDOHを存続させるためだった。


株式会社NIKAIDOH――。

住宅に関する、ある特許は世界でも通用するもので、大企業とまではいかなくても、世界に名を知られた会社だ。


ところがある時、更に大きな住宅メーカーである常盤ハウジングが、NIKAIDOHの株主たちをそそのかして、乗っ取りを企てたのだ。


ちょうどその頃、どこかで私を見初めた常盤ハウジングの御曹司が、ぜひとも私を妻として迎え入れたいとお父様に懇願していたらしい。


そして、もしもそれを飲めば、NIKAIDOHの買収は諦めると提案したのだった。


その御曹司こそが、DCH、デブでチビでハゲの男だ。

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