薫子様、一大事でございます!
お父様がそんな話を受け入れるはずがない。
姑息な手段を使うような男に、愛娘をやすやすと手渡すわけがない。
そう思ったのは、私の見当違いだった。
お父様は喜んでその話を受け入れたのだった。
お父様にとって、一番はNIKAIDOH。
私は二の次だったのだ。
だからといって、はい、そうですかと、DCHと結婚するわけにはいかない。
私にだって、恋に対する夢と理想があるのだから。
そこである夜、逃亡を決行。
一人で行方を眩ませる予定が、執事の滝山に見つかり、私に同情した滝山と二人で二階堂家を脱出したのだった。
それからしばらく経ったある日、テレビのニュースでNIKAIDOHが買収されたことを知った。