大好き以上になった場合


「はぁ、はぁ、はぁっ!」


全力疾走で芽衣の家に訪れた。

ピンポーンと鳴らすと、おばさんが「はーい!」といつもの優しい調子で答える。


「か、神崎ですっ。」


息が上がり、うまく伝えられない。

とりあえず、俺の声と苗字を言えば入れてくれるだろう。

中から「ちょっと待ってねー!」という声が聞こえてくる。返答から数秒後に芽衣の妹、麻衣ちゃんが中から出てきた。

麻衣ちゃんはまだ小学6年生で、早く大人になりたいというのが口癖のませた女の子だ。


「奏お兄ちゃん!久しぶり!!」

「麻衣ちゃん、芽衣いる?」

「いるよー。部屋で引きこもってる。呼ぶ?」

「いや、中に入っても良いか?」

「麻衣的には全然OKなんだけど、お姉ちゃん最近怖くて、もしかしたら部屋の前までしか行けないかもよ?」

「構わない。」


お姉ちゃん最近怖い…?家族は芽衣の異変に気づいてないのか?

丁度良い。本当に虐待されているのか調べるチャンスだ。疑っているわけではないが、念のため真相を明らかにしておきたい。


「どうぞ!!」


俺の手を引いて麻衣ちゃんは中へ入れてくれた。


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