インセカンズ
ミチルは少しの躊躇いの後、言葉を選ぶように口を開く。
「同期はみんな、私と大野が同じ大学のゼミ出身だって知ってるから何となく感づいている人もいると思うけど、私達ね、大学時代に二年くらい付き合ってたことがあるんだ」
緋衣は返答に困ったが、素直に頷く。
「何となく、そうかなとは思ってたよ」
「やっぱり、そうだよね。別に隠していたつもりもないんだけど」
「それで……? 大野がやり直したいとでも言ってきた?」
緋衣が言うと、ミチルは驚いたように彼女を振り返る。
「……大野はさ、っていうか、本当は人がいないときはタケルって呼んでるんだ。ずっとそう呼んでいたから呼びやすいのもあるし」
「うん?」
緋衣は、ミチルが話しやすいように相槌を打って続きを促す。
「……ヒデがね、タケルに言ったんだって。私の誕生日に合わせてプロポーズするつもりでいるから、もしも私に何か言いたいことがあるなら、その前に済ませてくれって。なんて、いきなりアズにそんなこと話しても訳分かんないよね。話しは大学時代にまで遡るんだけど――……」
ミチルが緋衣に打ち明けた内容を要約するこうだった。ミチルと大野は大学のゼミで一緒になり、彼から告白されて付き合うようになった。最初の半年位はトラブルもなく順調だったが、その辺りから大野の女遊びが始まって、最終的にはミチルの方から三行半を突きつけた。その後、大野の事で相談に乗ってもらっていたヒデと付き合うに事になり現在に至る、というものだった。
「同期はみんな、私と大野が同じ大学のゼミ出身だって知ってるから何となく感づいている人もいると思うけど、私達ね、大学時代に二年くらい付き合ってたことがあるんだ」
緋衣は返答に困ったが、素直に頷く。
「何となく、そうかなとは思ってたよ」
「やっぱり、そうだよね。別に隠していたつもりもないんだけど」
「それで……? 大野がやり直したいとでも言ってきた?」
緋衣が言うと、ミチルは驚いたように彼女を振り返る。
「……大野はさ、っていうか、本当は人がいないときはタケルって呼んでるんだ。ずっとそう呼んでいたから呼びやすいのもあるし」
「うん?」
緋衣は、ミチルが話しやすいように相槌を打って続きを促す。
「……ヒデがね、タケルに言ったんだって。私の誕生日に合わせてプロポーズするつもりでいるから、もしも私に何か言いたいことがあるなら、その前に済ませてくれって。なんて、いきなりアズにそんなこと話しても訳分かんないよね。話しは大学時代にまで遡るんだけど――……」
ミチルが緋衣に打ち明けた内容を要約するこうだった。ミチルと大野は大学のゼミで一緒になり、彼から告白されて付き合うようになった。最初の半年位はトラブルもなく順調だったが、その辺りから大野の女遊びが始まって、最終的にはミチルの方から三行半を突きつけた。その後、大野の事で相談に乗ってもらっていたヒデと付き合うに事になり現在に至る、というものだった。