メランコリック
ベッドに座りコーヒーを飲む相良駿吾。
向かい合うかたちで床に座り、同じくコーヒーのマグカップを手で包む私。

不思議な光景だ。
最悪に仲の悪い私たちが、私の部屋でコーヒーを飲んでいる。

でも、思ったより気詰まりではなかった。
私を助けにきてくれた相良に、今は安らいだ気持ちを覚えていた。
明日には手のひらを返されたように、再び迫害されるのだとしても。


「藤枝汐里」


なぜか、相良が私をフルネームで呼んだ。
私は彼を見上げ、答えた。


「何?」


「キスしてもいいか?」


私は驚愕で目を見開く。
キスならこの前、無理矢理された。それは私への嫌がらせのキスだったはず。

なんで今はわざわざ聞くのだろう。

相良はやっぱり赤い頬をしている。冗談ではないみたいだ。
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