メランコリック
「藤枝、俺たち……付き合ってみねぇ?」


私は相良の腕の中で再び目を丸くする。しかし、すぐに思いなおして答えた。


「セフレは無理って……言ったでしょ」


誰かと身体だけでも深い関係を築くなんて嫌だ。
私は永劫ひとりでいい。


「セフレじゃなくて……、普通に恋人同士として……」


相良の声は消え入りそうに小さかった。
本気で言っているのだろうか。
しかし、相良の気持ちのこもったキスを受け、無碍に冗談と受け流すことはできなかった。

相良は、私のことが好き?


「俺は、……おまえのことが気に食わない。だけど、おまえのこと知りたいっつうか。……それなら、いっそ付き合ってみればいいだろ」


歯切れの悪い相良の言葉。
私は戸惑いながらも首を横に振った。
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