メランコリック
「なんですか?相良さん」


二人が内緒話の匂いを嗅ぎつけ、寄ってくる。女は悪い方の噂が大好きだ。


「杉野マネージャーと藤枝って何かあんのかなァ……」


俺は朝見た光景をそのまま話した。脚色してやろうかとも思ったけれど、そこまでしなくてもこいつらの嫉妬心は充分刺激できる。


「ヘェ」


「マジですか」


案の定、暗い表情に憎悪を燃やした女二人は、容易く引っかかってくれた。
さて、少しいびられて痛い目でもみろ、藤枝。



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