メランコリック
彼女は、私の無口やノリの悪さを許容してくれる。何も気にせず、自分の言いたい話を山ほどし、私のごくわずかな相槌で満足してくれる。
マイペースなのだ。そこが安心する。

今日のランチも、誘ってくれたのは笙子の方だ。

間もなく、私たちの前に定食が到着する。私はつくねと野菜の黒酢あん定食、笙子はカツ煮定食。
笙子は頼むメニューも、食べっぷりも活力に溢れている。
眩しくて、好きだ。

自分の中の凪いだ海のような世界から、見上げる彼女は鳥のように自由だ。
私からは遥かに遠く、手が届かないけれど。


「あ、来週の同期飲み、汐里も来る?」


「同期飲み?」


「え?あー……またか!また相良駿吾が情報止めてんのか」


笙子が眉を吊り上げ怒声をあげた。
同期の飲み会やイベントの話が私に回ってこないことはしょっちゅうだ。
大抵、飲み会の中心人物の相良が私に教えないのだ。来て欲しくない人間を誘うわけがない。


< 61 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop