メランコリック
私は席につき、笙子からメニューを受けとる。

注文を済ませ、あらためて向かい合った。


「品川店はどう?」


「いつもどおり。売り上げ落ちてるからうるさく言われてる。あと、新しいバイトのコがバカでムカつく」


笙子は普段と変わらぬ調子だ。
彼女とは大学が一緒だったが、大学時代はお互いの存在すら知らなかった。同じ会社に入社して、初めて顔を合わせた。その時から彼女の態度は変わっていない。


「バイトの面接の時は黒髪で、初出勤時にいきなし金髪だよ?バカかって話。理由聞いたら、『ロックやってるんでぇ』だとさ。ロックやっとけ!うちの店にはいらねーわってね!」


「辞めさせたの?」


「うちでバイトしたけりゃ、せめてミディアムブラウンまで色を抑えろって言った。ちゃんと染め直してきたから使ってる。でもバカ」


笙子はぷりぷり怒りながら、先にテーブルに着たアイスティーを飲んでいる。
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